食べ物の好みの変化と心の変化
嫌いな食べ物が、急に食べられる様になる。
または、好きだった食べ物が苦手になる。
大人の70%位が、この様な経験をしてるそうです。
私も同じく経験済で、ただ単に「歳をとって大人になったから変わったんだ」って漠然と思っていました。
もともと、食べ物の好き嫌いが生まれるのは「環境的な要素」と「遺伝的要素」による2つのパターンがあり、その後の経験や学習によって変化していくそうです。
それには味蕾(みらい:口内にある食べ物の味を感じる小さな器官)の変化が大きく関わっているとのことですが、何かを好むかどうかを判断するものでは無いとのこと。
食べ物が口に入り、味を感じ区別して、経験したことのある味を正確に脳へ伝えるために脳へ信号が送られる。
そして様々な経験(生い立ち・慣習・思い出・背景など)のもと、何十年にもわたり個人的な嗜好を発達させていくとのことです。
何かの食材を食べて、体調が悪くなったことで、嫌いになったなどもですよね。
味蕾自体も数週間ごとに消滅して再生されるのですが、やはり人間の心や個人的な経験は、それよりも多く、絶え間なく変化するので、好き嫌いも変わってくるのではないかとペンシルベニア州立大学のホップファー博士が言っていたと紹介されていました。
だから、嫌な記憶のもと、その食材を二度と食べないというわけでもなく、新しい趣味を好むように、それらを食べることによって、脳に特定のものを好むよう順応させることもできるとの事。
※命にかかわるとか重度のアレルギーは別として。
「苦手だった食べ物が好きになる」
「好きだった食べ物が苦手になる」
科学的にメカニズムが解明されている部分もあれば、もっと掘り下げた部分では、まだ不明な点もあるそうです。
私も子供の頃や若い頃、一度食べて「絶対ムリ!」と思って避けていた食べ物が、何十年振りに食べたら、意外と大丈夫だったり美味しいと感じたものは幾つもあります。
もちろん、その逆もあります。
以前は好きだったものが、今では、そんなに好きじゃないとか・・・・。
何十年振りに食べても、やはりムリだったとか、人から「これは大丈夫だから」と言われて何度か挑戦したが、ダメだったものとか。
後は、身体が必要としている物は、自然と食べたくなったり、食べられる様になったりしているのでは?とからだ感覚で実感する時も有ります。
一般的には、よく「疲れた時に甘いものが食べたくなる」「運動して汗をかくと、しょっぱい物をからだが求める様になる」と言うのは、よく聞きます。
私自身のことではセロリとジャスミン茶が代表的なものです。
セロリは子供の頃に一度クチにして「絶対にムリ!」と決めてた食材の1つです。
ジャスミン茶も10代の終わりか20歳頃に、友人から「美味しいよ」と勧められて、お店で飲んだのが初めてでした。
申し訳ないけど、私には「トイレの芳香剤の匂いのお茶」にしか思えずに、一口飲んで「ムリ!」となりました。
それが、40過ぎて薬膳の勉強でセロリもジャスミン茶もストレスに良いと知り、何十年振りに試みました。
当時も、まだまだストレス生活の真っ只中です。
両方とも「何とか食べられる」と言う無理した感じじゃなくて「美味しい!」と思える感覚に変わっていました。
だから生活の中でセロリを食べる機会も増え、飲み物を買う時は、決まってジャスミン茶を選んで美味しく飲んでいたのです。
それがストレスが減り始めてからは、特にジャスミン茶。
そんなに飲みたいと思わなくなりました。
最初は「今まで飲み過ぎたから?」とも浮かびましたが、どうもそんな感じではなくて、何となく「そんなに身体が欲していない感覚」の方が強かったんです。
試しに飲んでみましたが、今までの「美味しい」という感覚が「普通」に変わっていました。
「普通」ですから、当然、飲めるには飲めます。
味の好みも、本人が知らない間に変わっていることだって有ります。
ただ、以前の記憶で、嫌な体験をしたから避けていただけで、気付いていないかもしません。
私の母は、父や弟は「これは食べない。嫌いだから」と、食卓に出しません。
でも、かなり前の話で、若い頃の父や子供の頃の弟を基準にしてます。
だけど、たまに私が作る時に、その食材を入れる場合あるのですが、普通に「美味しい」と言って食べてます。
※全部じゃないですけどね。
食後に「これ、食べれるんだね?」と聞くと「は?食べれるよ」と当たり前みたいに「何言ってるの?」みたいな顔をされます。
食べ物の好き嫌いの変化は、子供とか大人とか関係なく、普通に有り得るということなんですよね。
もちろん、無理やり食べさせるのではないです。
もしかしたら苦手な食材でも調理法や合わせる食材によって克服できるキッカケになるかもしれないし、気付かない間に変化しているかもしれない。
または、私みたいに身体が自然と必要としているかもしれない。
時を置いて、再チャレンジしてみるのも、たまにはイイかもしれませんね。