接客業の辛さと救われる瞬間
私はこれまで販売や営業など、人と接する仕事に就いていたことがあります。
長く接客業に携わったことがある人なら、クレーマーに遭遇した経験はゼロではないかと思います。
どう考え直してもこちらに非が無いのに一方的に怒鳴り散らす人。
人格否定なんて普通です。
こちらが言い返せないという立場もあるから、相手に言われっぱなし。
理不尽さに腹立たしさもあるけど、それ以上にやっぱりへこむし傷付きます。
次のお客様のこともあるから表面上は何事も無かったかのように振る舞おうとしますが、平常心ではいられないしテンションは下がったままです。
そんな精神状態の時に別のお客様から笑顔で「ありがとう」と言われると本当に救われた気持ちになります。
お客様から怒られて傷付き落ちこんでいる時に、やはりお客様という同じ立場の人から笑顔で「ありがとう」と言われる。
日頃のお客様からの「ありがとう」も確かに嬉しいのですが、こういう時の「笑顔でありがとう」は私にとって言葉の重みが全く違いました。
どん底にいる私を救い上げてくれたようで、本当に「お客様は神様」だと思ってしまいます。
笑顔で「ありがとう」と言って下さったお客様にとっては、買い物をした時にお礼を言うのはいつものことで特別なことではないかもしれません。
もちろん私がその前に酷いことを言われてへこんでたなんて知るはずもないです。
店側の人間の精神状態を考えながら買い物をしているわけでもないし、そのお客様は普段通りのたったひと言の「笑顔でありがとう」だったかもしれないけど、言われた方の私としては本当に救われたのです。
でも、この時の気持ちをずっと持ち続けられるか?と言われると、日にちが経って平穏な日常に戻れば忘れてしまいます。
今は販売の仕事から離れていますが、なぜかこれらの事を最近ふと思い出しました。
せっかく救ってもらったのに、じゃあ自分がお客様の立場になった時はどうなのか?
店の人といくつか会話をして買い物をした時には少し笑顔でありがとうと言えるけど、全く会話の無いスーパーのレジの人やコンビニのレジの人にはどうなのか?
たまに「ありがとう」と言う時はあるけど笑顔は無い。無表情で無言の時もよくある。
いや、そっちの方が多かったかも・・・。
反省しました。
私を救ってくれたお客様たちも、救おうと思って「ありがとう」と言ったわけではないし店の人がいつも落ちこんでるわけでもないです。
だけど、少しの笑顔と「ありがとう」で損するものでもない。
満面の笑みを浮かべてテンション高く言う必要は無いし(逆に怖い💦)
大したエネルギーも使わない。
無表情で「ありがとう」と言うと機械的な「ありがとう」になってしまいます。ほんの少しの笑顔で「ありがとう」と言った方が自然に相手に伝わりやすい印象になると思います。
立場は店員とお客様だけど、その前に人間ですから。
ほんの少しの笑顔と、たったひと言の「ありがとう」でお互い僅かでも気分が良くなればそれでイイんじゃないですかね。
最近私も忘れずに言えるようになってきました。