これは、単なる趣味の範疇だけではなく、職場を含めて、様々な人間関係にも通ずるものがあると思いました。
アドバイスや助言をする時は、内容が重要だと言うことは大前提ですが、するタイミングも大切だと。
カルチャーセンターの太極拳講座に通い始めて、この3月でようやく丸1年経ちます。
今では、私のライフスタイルの一部に溶け込んでいます。
完全なる初心者の私は、初日の時点で「こんな長い太極拳の流れや順番、動作・・・覚えられる気が全くしないんだけど・・・」
それが、月2回の講座+自宅で週2~3回の練習で、最近、ようやく順番を覚えられる様になりました。
それまでは、先生からも「今日も、よく頑張ったね!」
先輩達からは「上達してきたね~」「ついてこれる様になったね~」って、声をかけてもらったりしていたのですが、正直、ついていくのが必死な状態。
だから、私の動きや型に関しては、ツッコミどころ満載だったはずなのに、先生や先輩達からは、とくに動作や型に関しては何も言われませんでした。
ところが、ここ最近、1つずつアドバイスをもらえるようになったのです。
自分では同じ様に真似してやっているから「こんな感じかな・・・」なんて思っていましたが、言われて初めて、他の人達の動きをよ~~~~く見ると微妙に違ってるんですよね。
本当は、もっと前から「そこは、そうじゃない」「もっと、こうした方がいい」って、先生や先輩達も感じていたはずだし、私だけ初心者だから、ある意味目立つと思います。
ついて行くのが必死な状況の時に、この様なアドバイスをされていたら、私の頭はパンクして何がなんだか分からなくもなり、それこそグチャグチャで、挫折していた可能性高いだろうなって・・・・。
しかも、説明されて、その通りに体が反応できる器用さも持ち合わせていませんから、尚更です。
ようやく全体の順番が覚えられてきたタイミングだからこそ、1つずつのアドバイスを受け入れる余裕が持てたんだと思います。
先生の立場なら、教える義務は有るかもしれませんが、一緒に習っている先輩からのアドバイス・・・・。
あくまでも趣味の講座ですから、別に教えなくても構わないし、自分が楽しめば、他の人が出来なくても関係ないわけです。
余りにも、お粗末な出来で、私に対してジレンマやイライラを感じていたのなら、もっと前から色々と言っていたでしょう。
だけど、このタイミング。
きっと「今なら、大丈夫だろう」と、見ていてくれたと私は受け取ってます。
本当に嬉しいし、有難いです。
職場での人間関係でも「もっと、こうすればイイのに・・」と、ついついアドバイスをしたくなる時が有ると思います。
例えば、それが新人の場合。
入社して間もない頃は、会社自体や人間関係、仕事内容など、慣れるまでには盛り沢山の事柄が有り、しかも緊張感もプラスされてます。
業務上、早急に習得する必要なものは別として「もっと、こうすれば効率が良い」「こんな方法もある」・・・など、色々なアドバイスをしてしまう。
もちろん、する側としては
「良かれと思って」
「早く一人前になって欲しくて」
多くの場合は、そうだと思います。
でも、中には「見てるだけでイライラする」から、つい言ってしまうケース。
または、勤続年数が長くなれば、自分が新人だった頃のことを忘れ去り「いかにも私は最初っから出来ていました」と記憶を塗り替えてしまっているケース。
自分は、この部分は出来たから、あなたも出来るよね?と言うものさしで決めているケース・・・・・
他にも色々なケースが有ります。
これらのケースは、私も他人事では無いし、実際に職場内で目にすることも有ります。
「受け入れられる容量や、得意・不得意の分野、器用さなどは、本当に個人差が有る」のは、分かっているはずだし、自分も同じなのに。
良かれと思い、的確な内容のアドバイスしたとしても、受ける側が一杯一杯な状況では、最終的に、お互いが望む方向へ進めないことだって考えられます。
ヘタをすると、自信喪失や挫折に追い込んでしまうなんてことも出てくるかもしれません。
明らかに間違っているなら、その場で訂正する必要があるけど、これはアドバイスでは無くて「注意」だし、言う時の言い方も異なると思います。
アドバイスや助言って、そもそも誰のためにするものなのか?
自分の自己満足のためのものなら、やがて相手にも気付かれ「大きなお世話」と捉えられて無意味になることも有り得そうです。
長く同じ仕事をしていたり、ある程度、年齢もいってると、人からアドバイスをもらう機会が減ってきます。
今回、太極拳講座の先輩から、絶妙なタイミングでアドバイスをもらい始めたことで「いくら正しい事や同じ事を言っていても、受ける側の状態によっては、それを活かしきれないことが有る・・・」と、改めて気付きました。
まずは、相手をよく見ていないと、タイミングがつかめませんけどね。
相手のためを想って、してくれるアドバイスや助言。
お互いが良い方向へ進むためのもの。
もちろん、する側だけの気遣いで成り立つものでは有りません。
だって、その人の貴重な時間(長い短い関係なく)を割いて、言ってくれているのです。
受けた側も、例えば「最初から出来ない」「面倒臭い」とかで諦めずに、やってみることが、相手へのお礼だと思います。